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現在の5千円紙幣肖像画は明治生まれの作家・樋口一葉
名前は知られるが、その生涯や作品について知る人は意外と少ないのではないでしょうか。

姫路文学館では特別展「樋口一葉 その文学と生涯 貧しく、切なく、いじらしく」を開催している。
1991年開館以来、一葉を取り上げるのは初めてという。
4年後に紙幣が刷新される前に、ぜひ多くの人に知ってもらいたいと企画されました。

一葉の幼少期は比較的裕福で、学校の成績も優秀だったが、
「女に学問は不要」という母の主張により11歳で退学。
その後、長兄の早世や父の事業失敗が続き負債を残して死去、
17歳で女戸主に。父の没後は母と妹を養いつつ、小説家を志した。

「たけくらべ」「にごりえ」などの名作を残すも24歳の若さで世を去った作家樋口一葉(1872~96年)
激動の明治期、因習に抗してもがく小説のヒロインたちの苦悩が、貧困を窮めた一葉自身の生涯に切なく重なる。

今展は4部構成。
一葉は遊女から上級官吏の妻までを描いたが、身動きの取れない明治女性の境遇に対し、
一貫した問題意識を持って告発した。
『にごりえ』は今で言うストーカー、『たけくらべ』は人身売買の話。
隔絶した前時代の話じゃなく、現代の視点でとらえてほしい。

会場内では、一葉と同時代を生きた姫路出身の教育者・野口幽香(1866~1950年)
にまつわるパネル展も併催。
日本で初めて貧しい子らのための保育施設「二葉幼稚園」を創設した幽香の理想からも
今の私たちが学ぶことは多い。

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